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日本の「食」は安すぎる(山本 謙治 著)

2008.05.07 本&音楽 C(9) TB(0) このエントリーを含む「はてなブックマーク」 この記事を「livedoorクリップ」! 「Yahoo!ブックマーク」に登録

お台場海浜公園以前からよく「やまけんの出張食い倒れ日記」訪れては、深夜に小腹をすかせていたので、この本が出版されたと知り、「本屋さんでチェックしてみよう」と思っていた。

直接買うきっかけになったのは編集協力された岡部さんのこの記事だ。

日本の「食」は安すぎる(【このブログがすごい!】BLOG)

その頃から、ブログ本とは「ブログというツールで才能と出会って、編集者がその才能と汗かきながら作る本であるべし」なんて思ってたんです。ブログの記事は、エッセンスのひとつであって、そこから何かを導きだして本を作るべきだと。

うん。そう思って動き出した本がようやく形になって昨日から発売になりました。

実際読んでみて、岡部さんが書かれている「一人でも多くの人に手にとっていただきたい本になりました」に同意した。

日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない (講談社+α新書 390-1C)日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない (講談社+α新書 390-1C)
山本 謙治


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この本は、考えさせられる。
反省させられる。
知ってるつもりで知らないことがいっぱいあるのだと知らされる。
無知は罪でもあるのだと気づく。
意識変革を迫られる。
でも、厳しい現状に暗くなるのではなく、
明日から自分の行動をちょっとずつ変えていこう、
そんなポジティブな気持ちが芽生えてくる。

そんな感じ。


「消費者にも問題がある」発言

第一章は、食品偽装の話から始まる。
昨年のミートホープの一連の事件報道で、マスコミがもっとも反応したのは、元社長の「消費者にも問題がある」発言だった。

ただ周りの人と話をしていても、マスコミの「責任転嫁だ批判」とは逆に、「いやー、それもあるよね、やっぱ」という冷静な意見が多かった。うちでも、当時父が同居していたんだけど「マスコミの前で言っちゃまずいけど、関係者全員、その気持ちは絶対もってるよね」という話をしていた。

その少し前までは、お昼のテレビでは、スーパーの「食べ物詰め放題○○○円」にむらがる人たちの姿ががんがん登場していた。「あのウィンナー、いったい何の肉なんだ!」「怖いよ」という声もあがっていた。

「安全で体にいいものを食べたい!」

そう言いながらも、実際には安さと見た目だけを追い求め、結果として日本の生産者を廃業に追い込んでゆく消費者。本当にいいものを作ろうとしている人たちにジレンマを感じさせてしまう市場原理。

食の安全について議論されるとき、私がいつも疑問に思うことがある。それは「こんな卑劣なことをして消費者を騙すなんて!」と消費者に不利益を与えた企業を責める論調ばかりで、消費者がとるべき行動について誰も触れないことだ。
もちろん「○○を買ってはいけない」というような警鐘を鳴らすような話はよく出てくるけれども、もっと建設的な方向性があってしかるべきではないか、と思うのだ。
建設的な方向性とは何か。

この本、最初から最後まで読んでいて非常に気持ちいいなと思うのは、ジャーナリストがジャーナリスティックに「日本の食が危ない!」と警鐘を鳴らし続けているだけの本ではないからだと思う。

専門家として「日本の食」を守りたいという情熱や、本当にいいものを作り提供しようと愚直に頑張っている生産者たちへの賞賛と尊敬の念がいっぱいだ。

第二章から第四章までは、食生活に身近な様々な食品について、現場がどうなっているのか、本当にいいものを作ろうとすればどのくらいの価格が適正なのか、逆に安いものはどういうコスト削減をはかっているのか、そして、厳しい現状の中、それでもいいものを作り続けたいというこだわりと理念をもって取り組んでいる生産者の挑戦について、非常に丁寧にレポートされている。

「漬物」
「豆腐」
「納豆」
「伝統野菜」
「ネギ」
「牛肉」
「豚肉」
「ハム」
「卵」
「牛乳」
「ラーメン」
「ハンバーガー」
「山菜そば」
「椎茸」
「お酢」

そんなに重たく読まなくても、「へー、ハムってこうやれば自分の家でも作れるんだ!」とか、「豚の放牧なんてのもあるんだ」とか、いろいろ新しい知識も吸収でき、読んでいておもしろい。

NHKの「プロジェクトX~挑戦者たち~」が人気あるように、やはり普段見ることのない生産の舞台裏というのは、とても興味深いものだ。


安さはシグナル

第四章に「なぜなら、安さはシグナルだからだ」という一文がある。

食品加工業界にいる友人は、コンビニやファストフードなどで食品を見るときには、必ず頭の中で原価計算をするという。そして、自分が基準値として持っている「ヤバイ線」を越えて安すぎるものは、絶対に買わないそうだ。

なかなか素人の自分たちには、原価計算とかできず、適正価格もよくわからない。ただ確かに、「ありえないほど安い」ものはあって、一瞬ためらいつつ「ま、安いからいいか」とカゴにいれてしまうことも多い。

本の中では「本来はこの価格じゃなきゃおかしい」「安すぎる」が連発されているので、人によっては「いいよな、金持ちは」的な気持ちになるかもしれない。

ただ、エンゲル係数が戦後の60%台から20%台まで落ちているのは、単に豊かになったというだけでなく、農産物輸入の自由化で(ちょうど自分が子供時代の政治トピックスだったっけ)海外の安い食が一気に流入し、食品の価格が相対的に安くなっているってのもあるんだろうなあと、この本を読みながら思った。

適正価格。
これについて、もうちょっと考え、判断できるようになりたい。


消費者の行動が日本の「食」を支える

自分の実家も田舎で、自宅&庭と同じ面積の畑があって、ネギやピーマン、スイカにとうもろこし、落花生と、かなりたくさん作っていた。鶏とチャボとアヒルがいて、新鮮な卵は本当においしかった(アヒルは自分のペットだったんだけど、オスだったので卵は産んでくれなかった)。知り合いの農家の人が、「自家用」野菜やお米をよく持ってきてくれた。葉っぱは虫食いだが、農薬散布は少なめだった。

でも10代の終りに上京して、人生の半分は既にここ。
最初の頃は、野菜の高さと、いわしすらも1尾ずつトレーに乗っけて売られているのにびっくりしたが、いつの間にかそれも慣れてしまった。

そしてあまり何も考えず、スーパーでは適当にかごにぽこぽこ食材を放り込む。

食品を手に取って30秒考える。時間が余ったら裏側を見て、その成分を知る。これだけの行動で、あなたの食品を選択するスキルは大きくアップするはずだ。

本当にそうだなあと思う。
深く反省。

あと機会があったら、
いろいろ見学会とかに参加してみようと思う。
やはり自分で積極的に情報収集して得たものでないと、自分で判断し行動する基準にはならない気がするから。

写真

2年前、オイシックスさんに声をかけていただき、マミィさんと2人、(自分の地元)香取郡の農家に見学に連れて行ってもらったことがある。

●Oisix生産農家見学ツアー~“こだわり”野菜作り(1)
●Oisix生産農家見学ツアー~“こだわり”野菜作り(2)
●Oisix生産農家見学ツアー~“こだわり”野菜作り(3)

中でも特に興味深かったのは、「産直」という道を選んだことについての話。
ちょっと極端な例なのかもしれないが、通常ルートで市場にだすのなら、かぶは丸ければいい、にんじんは赤ければいい。規格がそろってさえいれば・・・。でも、徹底的に手間をかけ、研究し、こだわりのおいしい安全な野菜作りを追求した。おいしかったか、満足してもらえたか、消費者の反応を、生産者が知ることができる生産・流通。

このときに話を伺って初めて知ったのは、こだわって作ることがどれだけ大変かということ、あと流通・販売という点で厳しい現状があり、決められた回数の農薬散布を行い、大きなジレンマを感じながら規格をそろえた野菜を作り続けている農家が多いという話だった。

そして消費者に、きちんと理解して欲しいことがあるという。 農薬を使わない有機栽培、どんなに努力しても虫が葉につくことだってある。 外側の葉に虫がついているなら、それをとって、内側の葉を食べる。 そういったことの理解・・・。

知ることで、見方が変わることってたくさんあると思う。
自分はまだ知らないことだらけだ。

先日、ろんぴさんと話をしていて、輸入物のミネラルウォーターがどれだけ環境負荷高いかという話を聞かされた。

確かに~。

そんな話もこの本の中にもちょろっとでてくる。
ミネラルウォーターに限らず、食べ物を世界中から輸入しまくっている、食糧自給率39%の日本。

いろいろ考えさせられた一冊だった。
おすすめです。


苦くて美味い一冊 - 書評 - 日本の「食」は安すぎる(404 Blog Not Found)


日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない (講談社+α新書 390-1C)日本の「食」は安すぎる―「無添加」で「日持ちする弁当」はあり得ない (講談社+α新書 390-1C)
山本 謙治


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▼なんとなく動画にしてみた(一個前の記事のビールを本に置き換えてみただけで、特に意味はないです)



コメント

藤本美貴がほんの一時期、KAT-TUNの赤西仁と交際していた過去があるという。
http://plaza.rakuten.co.jp/FujimotoAkanishi/

投稿者: 藤本美貴 赤西仁と交際していた過去!貢ぎオバさんとの関係は… (2008.05.07 16:13)

江戸中期に、しょうゆが、大ヒットして爆発的に各大名が大豆をつくったと聞きます。その為土地が荒れ飢饉の元になったそうです。
 今の日本を見ていると環境がなんだかんだと言いながら環境を無視したことを、多々おこなってるように見えます。
車の排ガスは、車をみんなが運転しなければいいけど、生きていくには必要
PCも無ければ無いでいいんだけど便利だから必要
スーパーも、わかってるんだけど やらないと生き延びれない。
しかし、すこしづつでも変わらなければ子供達に、つけをまわす事になる。
 非常に難しく努力が必要ですね。

投稿者: Windmill (2008.05.07 16:41)

おもしろそうな本ですね。読んでみることにします。

先日、スーパーで買ったレタスに、小さな虫がついてました。こどもは、虫がついていて気色悪い、と言って、サラダはもう食べないというんです。
虫がついてるくらいだから安全なんだよ、とだいぶ教え諭したのですが、結局レタスは食べませんでした。こどもに食の安全を教えるのも、なかなか難しいです。

投稿者: たからにゃ (2008.05.07 16:56)

Windmillさん、
今に始まったことでもないんですね、江戸時代もいろんなバブルがあったんだなあ。
わかってても、言ってても、実際行動はしてないってのが、自分自身についてもいえたりするので、少しずつでも変えなくちゃですね。

たからにゃさん、
難しいですよね。今は実際、都市部でも地方でも、かなり清潔な環境の中で育ってしまっているから、慣れの問題で子供はなかなか。
ちなみに自分、春菊がアブラムシで全滅した時のビジュアルな記憶が鮮明で、他は大丈夫なんですが、春菊で虫がついてるのだけ、なんかダメなんですよね。あれ、水つけていても、なかなかとれなくて・・・。

投稿者: わだ (2008.05.07 17:06)

主人の実家で無農薬で農作物をつくってます。キャベツや白菜をもらうと必ず虫が3匹は刺さってますし、とうもろこしも虫が刺さってるのが普通です。
スーパーで買ったジャガイモからは芽が出ないとか野菜の色がきれいとか、安く買う食べ物ほど、確かに不思議が多いですね。安い理由を、私ももっと考えようと思います。

あと、主人が「農薬を使わないと、畑の面積あたりの収穫量が減って、たぶん農家がやっていけないし、野菜不足になる」と言ってました。日本の農家はそれほど無理しているんだと思います。

投稿者: のらり (2008.05.07 21:13)

日本の食がダメになったのは、スーパーのバイヤーが勉強不足だってことが5割以上だと思いますね。

昔のバイヤーは一生懸命勉強して、自分が仕入れる製品の生産コストをそれなりに把握していた。それをわきまえた上で価格交渉をしていたから、生産者もきちんとしたものつくって、変なものは作らなかった。

でもバブル崩壊や価格破壊のあたりから、生産コストというものを考えず「安くないと消費者はかわないから」という理由で値段だけたたきに出た。

食品に限っていえば、生産者がまっとうな商品を提供するか、もどき商品を提供するかの境目は20円以下の差額って場合が多いです。

昔のバイヤーは、その20円を守って、店長やら消費者に何故20円高いか納得させる労を惜しまなかった。

最近のバイヤーはその価格差を消費者や店舗スタッフに納得させる能力はもちろん、自分が理解するだけの基本的な知識そのものすらない。

消費者にしてみれば、1食20円余計に払っても、きちんとした原料つかってきちんと調理されたおいしいものを食べたいという要求があるのに、スーパーのバイヤーは生産者に対して「ともかく1円でも安いことが消費者の要求だ」という形でのミスリードを行うわけです。

だから問題がおこった時に、消費者は騙されたといい、生産者は消費者のせいだというわけで。

実際は両者の間に入っている人間が両者を結ぶのではなく、両者をすれ違わせているからなんですね。

残りの五割弱は日本の生産者が努力しないことです。
輸入のシェアが過半数を超えるような業界は、輸入物が安いからだけではなく、輸入物と国産品との価格差が品質に見合わない。

輸入食品の危険をアピールして、国産というだけで高い値段が通るようになると、この努力しない生産者達という構図は永久に日本に残り、日本人はまずくて栄養もない食品を高い値段で食べるハメになります。

野菜なんかは、ずっとまえから栄養価の低下を言われているんだから、野菜の評価を今のような形だけでなく、栄養素の含有量なんかで等級つけるようにすれば、生産者も土作りからしっかりやるようになるし、消費者も価格が高い分、栄養たっぷりな野菜が食べられるようになっていいと思いますけどね。

投稿者: 円海 (2008.05.08 22:26)

最近、「売れる物」ではなく「作りたい物」を作るということに意識し始めています。
食に携わる方もそんなこだわりのものを作って成り立っていく流れになればいいのにと思います。

オイシックスの見学ツアー、とても興味あります。
今後もこんなツアーあれば参加してみたいですね。

投稿者: じぇい (2008.05.09 10:47)

円海さん、
すみません、実はココログでブログ移行作業とかしてたら、いったんしたコメントが消えちゃったりしました。

円海さんも現場に精通されているんですよね!

> 日本の食がダメになったのは、スーパーのバイヤーが勉
> 強不足だってことが5割以上だと思いますね。

そうなんだ。
勉強になります。

栄養価の等級とかいいですね。
消費者が判断するのにわかりやすい仕組みがもっと欲しいと思いました。

じぇいさん、
↑の栄養価の等級とか、「こだわりポイント」がわかりやすい感じになったら、売れるものは売れていきますよね、きっと。ってそんな簡単なことじゃないんだろうなというのもわかりつつ。

(実際店頭で商品とって考えても、やっぱ自分らにはよくわからないことが多すぎたりするので悩む・・・)

見学ツアーやりたいですね。

投稿者: わだ (2008.05.12 21:40)

【やまけん】★☆ ヤマケン ☆★【やまけん】
http://food8.2ch.net/test/read.cgi/gurume/1204089905/

この人言ってる事、やってる事矛盾がありすぎです。
食品産業従事者として安全意識をどの程度持っているのか疑問です。
わかりにくいかも知れませんが某県某市の市長さんと
一緒に何を食べているのか自分の目で調べてみてください

投稿者: asdfg (2008.09.16 19:16)





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