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広東省の世界遺産「韶関・丹霞山」

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「日本人どころか中国人でもまだ知らない人が多い場所だよ」と地元の人に言われた世界遺産が広東省の北部・韶関市にある。広州からは電車で2時間ほどで韶関、そこからバスで1時間弱のところだ。

世界遺産に指定されたのは2010年のこと。

私ももちろん全然知らなかったのだが、たまたま広東省のユースホステル一覧を見ていたらここの名前があり、足を伸ばしてみることにした。ちなみにユースホステルは、丹霞山入口のホテル密集する小さな集落にある。アットホームで非常によかった(レポートはこちら

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入場料は24時間有効で100元(時期&日にちにより120元)。
これには、敷地内主要スポットを循環しているバス乗り放題も含まれている。

まずは一番遠くの「長老峰」まで一気に行くことにした。

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最終地点で降りたところ、ひとりで旅行に来ていた広州在住の中国人の若い女性が声をかけてきた。

「一緒にまわりませんか?」

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遊歩道ありとは言え、山中のひとり歩きは不安なので願ってもない話。同じバスに乗っていたもうひとりの若い中国人の男の子も含め3人でまわることになった。

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前日は一日雨で、この日もいつ降り出してもおかしくないよな空模様。
それでも、赤い岩肌と切り立った崖、時折遊覧船が横切ってゆき水面が静かに波打つ深い緑色の湖は本当にきれい。

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少し歩くと、岩に今にも押しつぶされそうな寺が現れた。

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ここの地形の特徴は、水で侵食されたり風化したりで崖の一部が大きくえぐられている箇所がたくさんあることだ。そんな場所を利用していくつもの寺が作られている。

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まわりながら最も不思議だったのは、岩と岩の隙間やえぐられた箇所の一番奥に、必ずと言っていいほどこうした小枝がはさまれていること。

ある日本人のブログ記事でもこれは一体何なのだろう?という話題になったとあった。彼らの間では、岩が崩れる危険性もあるのでその予兆となるよう挟んでいるのではという意見がでたようだ。

一緒にまわった女性の意見は「何か祈願するためなんじゃないかなあ」。

人間不思議なもので、こうして挟んであるのを見ると自分も小枝拾ってぴったりの長さに折りさしはさみたくなる。予兆察知のためか祈願のためかわからないけど、最初に誰かが何らかの目的に小枝を挿入した後は、実は特に何の理由もなく前の人にならって挟んだものが大部分なんじゃないかしらん。・・・というのが私の意見。

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気軽な散策気分でやって来たんだけど、実は結構ハードだった。
観光ポイントは、山峰だったり中腹だったりで、大半階段を登ったり下りたり。

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そしてまずは第一目的地の「奇岩」スポットに到着。
その名も・・・

陰元石

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自然の割れ目ができている岩だ。
割れ目とかいうのもちょっと恥ずかしい気がしつつ。

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まだ出会って1時間足らずなのだが、天真爛漫な彼女のノリにつられて私もちょっとノリノリ写真。

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両側に絶壁の岩がそびえたつこんな場所でも記念写真。

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そこからひたすら急な階段をのぼり続け、次の目的地だった山頂に(たしかここが長老峰だったと思う)。この一帯、至る所に奇岩がそびえたち独特の風景を形成している。

観光開発され遊歩道を歩いて一般の観光客が散策できるのはそのうちごく一部だ。前々日の夜、ユースホステルで地元のカメラマンの方にいろいろ話を聞いたんだけど、他にもっと面白いスポットがたくさんあり、登山好きな人たちはテントかついであちこち登っているそう。

興味ある方はぜひその方のサイトの写真を見てほしい。
雲海広がる丹霞山の風景は壮観だ。

●丹霞山のサイト
●雲海の写真

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このあたりから、難所といってもいい箇所がちょこちょこ登場するようになった。日本では普通のハイキングコース程度では絶対ないだろう、

「階段というよりは限りなく垂直に近い壁」

とでもいうような傾斜非常に厳しく、ステップ部分は靴の長さより短い階段だ。しっかり手摺捕まって降りないと危険。

こんな場所もたくさんあるのに、なぜだか途中、腰の曲がった老夫婦やヒールかなりあるブーツの女の子とすれ違った。彼らは一体どうやってこの難関を超えてるんだ???

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そして別の峰。
長身の男の子は深センで働いている工学部出身。口数はそれほど多くないが本当に物知りで途中いろいろ解説してくれた。

急な階段を怖がる中国人の女の子の面倒もずっと見てくれ、最後はかなり時間押して行きたいところもまわりきれなくなりそうになっても、イラつく様子ひとつ見せない。

「もう時間ないでしょ。私が彼女と一緒に行くから大丈夫、先行って」
「いや、でも心配だから・・・」

本当にいい人だった。

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山頂の子猫には、ソーセージまるまる一本あげちゃったし。

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そういえば、中国の観光地では必ずといっていいほど見かける鍵。
カップルがいつまでも結ばれていますようにとの願を掛けて鎖などにかけていくものだ。

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初めて知ったけど、ちゃんと名前や年月日も刻んであるのね。

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自転車&バイク用のカギ。
でかすぎだろ!!!
というか、もったいない!
それ以前に、こんなの2つも持ってここまで登ってきたのか!?

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岩のえぐられた部分に作られた古い寺。
門にあたる部分の柱が片方倒れていたり、木材が朽ちかけていたりでなかなか味わいある。

女の子はかなり信心深いのかもしれない。
お寺ではかならず時間たっぷりかけて参拝をしていた。しかも帰りのバスで「お財布に入れておくといいことがあるから」と、表にホログラムで仏様の絵が描かれ裏にお経の一部かなにかが書かれたカードまでくれた。

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途中こんな場所も。

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一人旅行でも誰かと一緒にまわっているといいのは、こういう記念写真を撮れることだ。

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私も撮ってもらった♪

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また別の急階段が登場。
途中までは普通なんだけど、そこから先が傾斜角度極端に大きくなり下が見えなくなっている。私は高いところ特に苦手ではないし、手摺捕まって慎重にゆっくり降りれば問題ないとわかっているので問題はないが、一緒に行った女の子はかなり怖がりながら降りていた。

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そんな彼女を、今朝知り合ったばかりの男の子がやさしく辛抱強くサポート。大学構内の様子みてても中国の若い男性は本当にやさしいなあと思う。その分女性が結構強い。

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新たな寺を建設中のところも。
山の中腹なので車はないしもちろん重機を運び込むことなどできない。

二階・三階の建築材料もすべて人手で持ち上げないといけないため、こんなスロープが作られていた。

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でも本当に大変なのは、これだけの材料を車が入ってこれるぎりぎりのところからここまでの運搬だ。長い長い階段がある。

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木の両端にぶら下げた重いずた袋を担いで延々階段を上り続けている人達が、すれ違っただけでも4,5人はいたと思う。

平らなところだけは何かリヤカー等を使っているのかもしれない。階段の一番下にはいくつものずた袋が置かれていた。

「どのくらいの重さなんだ?」

と思い、試しにひとつ持ち上げようとしたけど、ぴくりともせず。
男の子がかなり頑張ってやっと少し地面から浮いた程度だ。

想像を越える重さ。

中に入っているの砂状のものだったので恐らくセメント。
数十キロを担いでこの階段を一日何十往復もするのかと思ったら気が遠くなった。

中国では険しい山の中腹に立派なお寺や建物がある場所が多く、また石碑好きなので山頂・中腹でも巨大な石碑をよく見るんだけど、こういう人達の過酷な労働の上に出来上がっているんだなあと。

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建築中のお寺のすぐ隣には、こちらも真新しい二階建ての宿泊施設的な建物があった。大学の寮のようにベッドひとつだけの小さな部屋がずらり並んでいるんだけど、その外壁に貼ってあったのがこれ。

中国のお寺には一般の人が事前に申し込んで泊まることができる宿坊がついているところも多いと、女の子が言っていた。この施設ももしかしたらそうなのかもしれない。

見ても一体どんな内容の活動があるのか、食事以外全くわからないが、朝が早いことだけはわかった。いつかもうちょっと中国語上手になって、かつ誰か中国人で一緒に行ってくれる人がいたら、中国でお寺体験とかしてみたいなあ。

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話は変わってここの地質。
岩は、細かくくだけた岩をたくさん含む、赤味がかったもの。

見るからに崩れやすそうだけど、実際風化・浸食されやすい柔らかい岩だそうで、そのためひょろひょろっとまるで人造の石柱のような奇岩や、大きくえぐられた場所が至る所に誕生している。

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まず川の水流で侵食され、その後風化して独特の地形になったところが多いようだ。

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例えばこんな場所。

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唐突に綺麗に作られた小さな畑が現れることも。
大体こういうのはお寺の近くにあるので、お坊さんたちの食べる野菜なのだろう。

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これは、洞窟のような場所があり、「ここ抜けられるのか?」と真っ暗な穴に入ってみたら、本当に通り抜けすることができ、こんな切り立った岩の隙間の一角にでてきた。

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入ったのはこの左側の穴だ。

海南島で知り合った人が「趣味は新しい洞窟探し」と話していたけど、きっとこういう地形を探して山の中を歩いているんだろうな。

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このエリアの最後の目的地は、湖畔の崖の中腹にあるお寺。
そこへ至る道は見事な竹林。

男の子いわく「日本人も竹が好きなんですよね」

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竹林好きももちろん古代中国由来の文化。

お茶文化や庭園文化とか、いつ頃どういう形で日本に伝わったのか、いつ頃から日本独自のテイストが加わっていったのか、少し勉強してみたら面白いかもしれない。

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登ったり下ったり、穴くぐったりしながらやっとたどり着いたお寺。
途中場所がわからなくなり、男の子がこの一帯に住む関係者に道ききまくってくれようやくこれたのだが、諦めなくてよかった。

今回の散策のハイライトといってもいい。

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赤味帯びた岩が斜めにえぐられた場所にすぽっと埋め込んだかのような建物。

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岩のえぐられた部分を利用しているので、少し離れたところから見たら、ここに建物があることすらわからないかもしれない。

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ここからの眺めがまた絶景!
眼下にはエメラルドグリーンの湖。

その奥には山が幾重にも重なって連なっている。
なだらかな山だけでなく、まるで子供が絵に描いたかのようなぽこっと丸い山もたくさんあり、面白い。

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お坊さんにも何人かすれ違ったけど、日本のお寺ではないかなと思ったのは、お寺に着く少し前からずっと「阿弥陀仏(確か中国語だと「ア~ミ~タ~フ~」的な発音)」の声が聞こえていたこと。どうも録音したものをスピーカーから流しているようだ。

椅子が並べられた誰もいない部屋では、お坊さんの講話のビデオが放映されていた。

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一番奥にあったのはこの部屋。
本殿になるのだろうか。

同行した女の子は、ここでも時間かけて祈願していた。
一体何を祈願しているのか・・・聞いてみたいけどちょっと躊躇。

私は全く作法しらず、見よう見真似というのも失礼だと思うので、立ち入らず遠くから眺めるのみ。

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その後も、こんな細い回廊など面白い地形を通りながら、ぐるっと最初にスタートした場所まで戻ってきた。

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あまり余計な体力を使いたくない人は、遊覧船に乗るという選択肢も。
湖というより貯水池的な感じで、谷部分に水が細かく入り込んでいるので、細い川のようになったところも多く、そこをかなり細かく回ってくれる。

波ひとつない湖面には山が写り込んでおり、湖面から見上げる奇岩もきっと迫力モノだと思う。今回は時間なくて乗らなかったが、次は遊覧船ツアーしてみたい。

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ここにはもうひとつの観光区がある。
一番最初に見た「陰元岩」と対をなす「陽元岩」があるエリアだ。

ゲートをくぐった時の時間は既に16時過ぎ。
この時もっと冷静に時間の事も考えて「5時半すぎたら暗くなるし、慎重に考えたほうがいい」と言うべきだったと後悔している。

男の子ひとりなら、歩くのも登るのも早いので、無理なく登って降りてこれたと思うんだけど、もうひとりの女の子が急階段登るのに結構手間取っていたので、時間も余計にかかっていた。

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そして小雨も降り始めていた。
私は日本の100円ショップで買った携帯カッパを着、デイパックにはこちらも日本から持参した透明ゴミ袋をかぶせた。

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おお、あった!
ゲートからちょっと歩いたところで見えてきた。

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そそり立つ・・・というと何やらちょっと恥ずかしいが、あの奇岩だ。

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でもそこは照れずに記念撮影。

ここで引き返しておくべきだったんだけど、そのまま頂上を目指したところ・・・

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想像を超える急階段。
階段というか、少しえぐって段をつけた急斜面だ。

下も濡れているのでここは慎重に。

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こんな場所も。
どんどん暗くなっていき、自分はともかくもうひとりの女の子がかなり怖がって時間かかっているので、さすがにこれはやばいと思い、彼女にいった。

「私達2人はここで引き返したほうがいいと思う。日没後完全に暗くなってここを降りるのは危険すぎ」

今晩の電車で帰る予定の男の子はタイムアウトぎりぎりだった。
ひとりならすいすい登っていけるが、女の子が登るのに合わせていたら電車にすら乗れなくなってしまう。

ただ彼女は「行ってみよう」という。
強く反対もできず、けっきょく男の子には先にいってもらい、私達ふたりが後からゆっくり上っていくことになった。

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もはやボルダリング状態。
まぢで暗くなる前に降りてここクリアしないと真剣にやばいぞと焦りまくったが、そんな私とは反対に、坂を怖がる彼女はけっこう楽観的だった。

「大丈夫!」

どこが大丈夫なんだよ~!

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ようやくたどりついた山頂。
もちろん誰もいない。

男の子も別ルートでの下山を図っているのか、もうひとつのポイントを目指しているのかわからないが合わなかった。

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山頂からの眺め。
小雨が降っており、少し遠くは完全に霞んでいた。
ふもとの山の合間には霧のようなものが発生している。

「わー、きれい!」

うんうんと一応同意しながら、私は時計見ながらあとどのくらいで完全に真っ暗になるか、そればかり考えていた。既に5時。

全体的に急な階段だったが、三か所の極点に険しいところだけクリアすれば、あとは暗闇の中ですべろうが転ぼうが、軽いけが程度で済む。

ポイントポイントで写真撮っているので、登りで何分かかったかもわかる。
なるべく平らなところ・穏やかなところでは彼女を急かして早歩きさせ、できれば30分以内、遅くとも1時間以内には危険ポイントを全部越えよう!

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撮ってもらった写真は、笑顔ちょっと硬いw
もちろん私一人カリカリしてもいけないのでここは明るく元気に笑顔で。

「よーし! 暗くなる前に頑張っておりちゃおうね!」
「うん。大丈夫だよ」

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既に全く見えない下界の目的地。
2人も怪我なくスムーズにたどりつけますよう。

・・・と思ったけど、やっぱり彼女はゆっくりだ。

「大丈夫、大丈夫。先行っていいよ」

と言われたって、こんな場所でひとり置いて先に行けるはずないやん。

ただ救われるのは、彼女がとにかく元気で明るくて楽観的なこと。足も相当疲れているだろうし、短いワンピースの下はタイツ一枚で相当体も冷えて辛い状態だと思うのに、そんな素振りまったく見せず、時に歌なんかも口ずさみながら歩いている。

天真爛漫というのは、こういう性格の事をいうんだなと思った。
一緒にいて人を楽しくさせ、元気にもしてくれる。

私自身も、疲れた時、凹んでいる時ほど近くにいる人に対しては笑顔を振りまく方なんだけど、彼女はそんな作り笑いではない。

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踊り場で待っている間に見かけた看板。
登っている時は風景を眺めない、風景を眺めている時は登らない。

そもそもこの傾斜じゃ、そんな余裕皆無だって!

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そして遂に最後の難関もクリア。
足場安定したところで彼女にカメラを向けると、にっこり笑顔を返してくれた。

この時5時40分。
かなり暗くなってきていたが、まだ足元はちゃんと見える程度。

「よかった。もう後は大丈夫だよ」
「だからずっと大丈夫って言ってたじゃん」

ははは。

「うん、あなたの言ったとおりだ。私は心配性だね」

一時はどうなるかと思ったけど、本当によかった。
でも次はこんな危ないことはしないでおこう。
もし20分ずれていたら、まったく次の一歩が見えない状況でここ降りる羽目になったのだから。

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そしてへとへとになりながらゲートまで戻り、別のポイントまわっていた男の子とも合流し、無事帰還。朝10時半過ぎに歩きはじめ、エリア全体のゲートに戻ってきたのは18時過ぎ。途中から雨も降る中、7時間以上も歩きつづけていたことになる。へとへと。

女の子のほうがユースホステルに興味あるということだったので、見学がてら連れてきて、オーナーさん親子と一緒に家庭料理をいただいた。

もし午前中に彼女と出会わなかったら、そして彼女が一緒に行こうと声をかけてくれなかったら、ひとりで適当に写真撮りながら歩いて、半分のスポットもまわらず帰ってきていただろう。

スリリングな一幕もあったけど、本当に充実の一日だった。
こんな出会いが中国旅行ではたくさんある。



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和田 亜希子

利根川流域に生息するアラフォー独女。ニッチなテーマで小さなサイトを作る「ミニサイト職人」で、主に運営サイトの広告収入で生計たてるようになり早10年経ちました。「パソコン一台携え、旅しながらサイト運営で生計立てる」ベドウィン・モバイラーの夢まであと一歩。大切にしたいのは「好奇心」と「向上心」。うさぎは2011年の干支、ヘビ年バージョンはこちらです。(詳細

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